私たちが料金表を作らない理由。
このパネライを修理した時に、
いったい幾らの費用が掛かるのか。
お客様の関心ごとでも、とりわけ重要なポイントのひとつは「このパネライを修理した時に、いったい幾らの費用が掛かるのか。」ではないでしょうか。このとき、私たちパネライのための修理工房は極めて慎重な態度でお答えをするように努めております。巷にある時計修理店さんでは、ブランドごと、症状ごとに料金表を用意なさっているところが多くございます。これは大変明解で、分かりやすく、親切なアプローチかと存じます。
そう申しながら、私たちパネライのための修理工房が料金表を提示しないのは、明確な理念に基づいてのことです。たとえば、オーバーホールをお考えであった場合に、いざ修理に取り掛かってみると、裏蓋が錆びて、なかなか開かないことがあります。ゼンマイが千切れそうになって、交換しておかないとすぐ駄目になることもあります。その都度に追加の費用を計上せねばなりません。報告に耳を傾けるお客様も落胆されますし、報告を差し上げる私たちも歯痒い思いにございます。
修理にかかるお見積りのポリシーに
何卒ご理解をくださいませ。
ですから、私たちパネライのための修理工房は創業から一貫して、「いちど時計の内部を拝見した上で、修理の方法と費用をお伝えする」という方針を採っております。もし、修理に掛かる費用が予算に見合わなければ、遠慮なくお断りをください。その際、返送の費用はご負担いただきますが、必要以上にお支払いをいただくこともございませんし、職人たちに負担を強いることもなく、とても健全な関係性を維持できます。この点についても、ご理解をいただければ幸いに存じます。